子どもに英会話を身に着けてもらうときに一番大切なこと

皆さんは子どもに英語を習わせようと思いますか?あるいは今習わせていますか?子どもにはどの程度まで英語を上達してほしいですか?

もちろん外国人と話ができるようになればいいですよね。今回お伝えしたいのは、「子どもに英語を身に着けてもらうために親がするべきこと」です。

ここをしくじると英語どころか日本語も怪しくなってしまうので、ぜひ最後まで読んでみてください。

スポンサーリンク

「お勉強」と「習慣づけ」の違い

実は筆者は今これを、ロサンゼルスのとある港町で書いています。こちらに来て早一年、もうすぐ6歳の娘は今、日本人向けではない地元のプレスクール(保育園のようなところ)に通っています。

今、娘は現地の子どもたちと英語で普通に遊んでいますし、先生の高度な英語の指示を聞き分けることもできるようになりました。

むしろ中学英語も怪しい父親の私よりも、難しい単語で話すようになった娘を時折恐ろしく思うくらいです。

娘に関しては、私たち夫婦はこれまで一度たりとも英語を「勉強」させたことがありません。ただ、渡米することは娘が生まれる前から決まっていたことでしたので、彼女が言葉を覚え始めてから英語を特別に思わないようにする環境づくりはずっと続けてきました。

英語教室に通う二人の女の子

幼い娘が言葉や、体格や肌、顔つきの違う外国人に囲まれても驚かないようにという配慮する必要があったのです。

妻が英語教員ということもあり、娘には英語と日本語の2つの言葉で接していました。

やがて模倣する娘の言葉の中にも英単語が混じることが多くなり、youtubeなどでセサミストリートを見ながら言葉を真似してケラケラ言いながら遊ぶようになりました。

4歳になったとき、近所にネイティブの外国人と、体操やクッキング、そのほか様々なアクティビティーを楽しむ英語クラブができたので、次年の渡米を前にそこに通わせました。このときには既に娘は英語の指示をききわけることができていたようです。

子どもの英語上達で親が絶対にやってはいけないこと

実は今回ぜひお話ししたいと思った動機は、この英語クラブの送り迎えの中で見たある母子の様子にあります。

いつものように英語クラブに娘を送り届けに行くと、いつもと違った風景が。そこには「いやだいやだ」と火のついたように泣きわめく女の子と、「いくら金がかかってると思ってんだ、ちゃんとやってこい!」と人目もはばからず大きな声で叱責する若い母親の姿がありました。

 

周囲の親たちも怪訝そうにその風景を眺めていましたし、せめて母親の気をそらそうと思ったのでしょうか「まぁまぁ」と声をかける保護者もありました。

しかしその若い母親は声をかけた保護者に「何か?」と言いながらきつく睨んで、踵を返し、黙ってベビーカーを押して帰って行ってしまいました。

この光景は衝撃的で、今でもはっきり覚えています。

確かにこの親子にもいろいろと事情はあるのでしょうが、少なくともお子さんは明らかに嫌がっています。

英語云々以前の話でもありますが、これではお子さんが英語を嫌いになるし、場合によってはトラウマになってしまうこともあるでしょう。

まして子どもに何千万円、何千億円かけようが、無理やりやらせるのは無駄遣いというものです。

親が子どもと一緒に楽しまないこと

家族で勉強

英語でなくてもこれが、ピアノだろうが、そろばんだろうが詩吟だろうが、子どもが「これをやって楽しい」と「もっとやってみたい」と思ってもらうために通わせて終わっているだけではだめなんです。

こと英語の場合は言葉ですから、使わないことには全く上達しません。

外国人と接する機会は日本で暮らす限りちょっと特別なことでもあります。なのであまり日常で英語を使うということがないと思います。ということは英語を少しでも使う機会をつくっていかないとすぐに忘れてしまうのです。

 ですから下手くそでもいいんです。ちょっとした遊びのつもりで、子どもと英語で遊ぶ時間をつくることが、英会話習得の近道なんです。

英語脳をつくる「カミカゼイングリッシュ」

英会話が苦手な様子

よく聞き流すだけで英語が身につくというコマーシャルがありますよね。

英語ができない状況でアメリカに来て、あれは本当なのかというと、結論的に半分はあってるかな?と思います。

確かにこちらでは、テレビもラジオもみんな英語です。

特にテレビなんか見ていると、興味のある映像に「あれこのニュース何を言っているのかな?」と必死になってその中のわかる単語を組み立てて理解しようと思ったりします。

でもでも、でもですよ、たいていこういう場面はそのまま次の場面に切り替わって終わりなわけです。

問題は、例えば公園に娘を連れて行って、娘の方がとっとと現地の子になじんで遊んでいるとき、そこの保護者の方が「ハーイ」と声をかけてくるわけです。

最初はもう必死、頭の中で(おそらくそうだろう)という単語を無理やり並べて、にっこり笑顔で、「ハ、ハウアーユー」と行くわけです。

もうそのあとはまな板の鯉です。どうにでもなれと、勢いで破れかぶれな英語を話す(つもり)でいるのですが、意外に相手が、‘Oh That’a nice!’nannte なんて言ってくれると、だんだんこっちもノッテきて、「こんなこともしゃべりたい」、「こんな気の効いたこと(わかんないけど)話してやろう」と思ったりするんですよね。

ですから、「スピードらー何とか+英語を話さなきゃいけない状況」で何とか会話ができてしまうんです。

あくまでこれは最初だけの話です。この段階を私は「カミカゼイングリッシュ」と自分で言っていました。

カミカゼイングリッシュは頭の中で、聞こえた英語をカタカナに変換して、意味を想像しおそらくこの返答でいいだろうという単語を組み立てて、イントネーションをそれっぽくして口から出してみる方法です。

危なっかしいのですが、相手の方でも一生懸命「ひょっとしてこう言いたいの」的なことを言ったくれるので「イエース」と言っているうちに意思の伝達ができるわけです。

カリフォルニア州の法律で12歳以下の子どもを保護者なしで遊ばすことができないので、必ず保護者がそばにいます。

毎度この環境に置かれていると、このカミカゼがだんだん頭の中で簡略化されていくんです。

つまり、わざわざカタカナに変換したりということが煩わしくなって、回を重ねると英語で直接ものを考えないと追いつかなくなるものなんです。

英語を身に着ける上で最も大事なのは、最初に英語を自分から遠ざけないことですね。

カミカゼでも何でも大丈夫です。テープやCD等一方的に流れてくる英語を聴くだけではだめですが、相手がいて表情を見ながら、「これを使えたい」と思ってとにかく話す。

この経験値を上げるしかありません。

バイリンガルそしてバイカルチャー

バイリンガルそしてバイカルチャー

子どもの場合は純粋さもあって、親が興味を持ってやっていることは素直に真似したがるものです。

子どもに英語をと思ったらまずそれが自然にできる環境づくりが欠かせません。

日本ではまず聞くことがない話だと思いますが、「こちらで育ったお子さんが日本語を忘れてしまって困っている」という話は日常茶飯事です。

日本に帰る日が近づくと、年齢に応じた「日本語補習校」に通わせたりもするのです。

うちの娘は、お父さんがまだ日本語なので、両方の言葉をつかえますが、娘のお友達の中には日本語が出てこなくなった子がいます。

このお子さんは日本で生まれて3歳でこちらにやってきて、最初は全く英語が分からなかったそうです。

このお母さんは高校生の時までアメリカと日本を行ったり来たりしながら育った方で、どちらかといえば英語で話す方が楽なようです。

ですからアメリカに来てからは、ついついおうちの中でもお子さんとは英語で話してしまい、オールデイのプレスクールも当然英語なので、日本語を使う機会がないということで悩んでおいででした。

うちの娘と遊ぶときは「日本語で遊ぶ約束」をしてくるのだそうですが、8割英語で遊んでいました。

面白いのは、この子が今年2週間ほど日本に帰ったときの事です。

帰国中の2週間は一時保育を利用して近所の保育園に通っていたといいます。

お母さんとしてはご自分の経験もあり、英語を話せることをやっかまれたりいじめられたりしないかドキドキしていたそうです。

相当英語っぽいイントネーションだったそうですが、周りの子につられて、だんだん日本語が復活していったようです。

走していくうち、普段「マミー」と呼んでいたのが自然と「お母さん」というのを聞いて涙が出たとか。

そんな一時帰国を挟んで、久々にご家族と再開しましたが、お子さんが「普通に」日本語で遊ぶのを見てこちらも驚きました。

まとめ

今回お話ししたのは、私の周りで実際に起きている事実です。

お分かりいただけたら幸いですが、英会話は勉強できません。

英会話は経験です。

経験値を上げて必要にもまれることでどんどん上達します。

子どもたちは頭が柔らかいですから、考えてやっている様子もないのですが、無理にやらせるというのではなく、親がまずやってみて、面白いからやってみなという感じが導入として一番いいと思います。

逆にうちの場合はお父さんは今必至です。子どもたちを見習って・・・。