英語資格試験の種類と選び方のまとめ

読者のみなさんこんにちは。今回は数ある英語資格試験の中から個々人の英語レベルに応じてどれを受ければ良いかをアドバイスしようと思います。

今や日本で受験できる試験並びに検定試験は約60種類あります。それぞれ試験の内容は異なるのはもちろん、それに応じて測られる技能も異なっています。

つまり、今のグローバル社会に求められるニーズが明確に多様化してきているということなので、私たち学習者もしっかりと対策して最短距離で資格取得を果たしましょう。

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英語資格試験の種類

まず、英語資格試験の種類をお話ししようと思います。

幅広い世代の人から指示されている日本英語検定

初めに英検についてお話しします。英検は、学習レベルに応じて7つの級を設定しています。

まず、英語の基礎を身につけ、一歩ずつ確実にステップアップできるのが5級,4級,3級です。これらの級は英語の基礎中の基礎ですので、久しぶりに英語学習を再開しようと思う方や英語が苦手だけど克服したいと思う方が目指すのが英検3級程度です。

中学英語がマスターできれば難なくクリアできるので、中学英語をやり直す旨の参考書を一冊やり込み、公式問題集で実践を積めば合格できるでしょう。

次に、使える英語の幅を広げ、世界へ飛躍する力を養うのが準2級,2級です。2級は高校卒業程度のレベルです。

ですから、3級レベルの英語力に語彙力、文法力を養わなくてはなりません。大学受験用の単語集1冊と「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】 (東進ブックス 名人の授業) 」のような超基礎レベルの文法書で土台作りをし、「基礎英文法問題精講 3訂版 」のような中級学習者向けの文法書1冊を仕上げた後、公式問題集で実践を積むことで合格できるでしょう。

しかし、このレベルから2次試験も難化してきますので、二次試験対策問題集も並行して活用すべきだと思います。

最後に、品格のある英語使用者として国内外で高く評価されるのが準1級・1級です。このレベルは大学レベル以上と非常に高度です。

これらの試験では奇をてらったような難問が多く出題されるので、英検準1級、および1級向けの単語集を一冊やり込んでから、サードパーティの問題集(英検準1級総合対策教本 (旺文社英検書) )と公式問題集を並行して学習する必要があります。

また、試験問題の話題も実に様々なものが出るので英字新聞を日常的に読むのも対策につながります。しかしこのレベルになると急にやることが増えるのでTOEICテストなどに乗り換える人も多いです。

 

試験は一次試験と二次試験の二部構成になっています。一次ではリーディングとリスニングの2技能、二次ではコール&レスポンス形式のスピーキングとリスニングの2技能が試されます。

試験で扱われる題材は、身の回りの日常会話から、教養を深める社会的な内容まで、実際に英語を使用する場面を想定して厳選しています。英検を通して学習を重ねることで、日常会話からビジネスシーンでも対応できるコミュニケーション力が高められます。

また、英検は一次試験の問題を公開しています。なので自分の受けた級の問題の答え合わせをし、間違った問題を復習することができます。

成績表では分野別に弱点が把握でき、学習アドバイスも充実しています。今や英検は、英語の能力を測るだけでなく、同時に英語力を伸ばす最良の教材となっているのです。

さらに進学や就職にも役立つ資格の一つなので、将来を見据えて時間のある時に取得しておくのもいいですね。

幅広いビジネスパーソン向けのTOEICテスト

この試験は大別するとTOEICテスト,TOEICS&Wテスト,TOEIC Bridgeテストの3種に分かれます。

TOEIC入門者向けのTOEIC Bridge

この試験はTOEICテストでスコア400以下の人が自身の英語力をより正確に測定したい場合、つまりTOEICテストに向けて一歩一歩着実に成長したい人向けのテストという位置付けが一般になされています。

スコアのスケールは20~180点となっています。テスト構成はミニTOEICテストのようなもので、基本構成はほぼ同じで、どれも難易度は低めです。

リスニングセクション(25分間/50問)(Part1:写真描写問題15問,Part2:応答問題20問,Part3:会話問題15問)と、リーディングセクション(35分間/50問)(Part4:文法・語彙問題30問,Part5:読解問題20問)という構成になっています。

TOEIC BridgeはTOEICへのBridge(架け橋)という事で文字通り、あくまでTOEICの体系を崩さずに全体のレベルが易しめに作られています。なので、あえてTOEIC Bridgeの問題集を普段使う英語の学習参考書として利用してみるのも手です。なぜなら収録されている問題はTOEICテスト同様ネイティブがよく使う表現を題材にしているので、使える英語が最短距離で身につくと言えます。

本家本元のTOEICテスト

スタンダードなTOEICがこのTOEICテストですね。TOEICと名のつく全ての試験で共通しているのが合否ではなくスコアで評価される点ですね。

TOEICテストではスコア10~スコア990までのスケールで英語力が測られる訳ですが、スコア制度なので一度合格すれば終わりではなく何度でもその試験を受けられるので常に新鮮な英語力を測れます。

ほぼ毎月のように公開テストが行われていること、学校や会社などの組織に所属している人ならそこでTOEICIPテストというのが行われている可能性があり、より身近に、安く受験できるのも魅力です。

TOEICテストは世界150カ国で実施されていて、その国独自の文化的背景や言いまわしを知らなければ解答できないような問題は排除されていますので、「世界共通の基準」として活用することができます。

TOEICテストは和文英訳、英文和訳などの技術ではなく、身近な内容からビジネスまで幅広くどれだけ英語でコミュニケーションができるかということを測ります。また、ListeningとReadingという受動的な能力を客観的に測定することにより、SpeakingとWritingという能動的な能力までも含めた英語によるコミュニケーション能力を総合的に評価できるように設計されています。

試験内容は、リスニングセクション(45分間/100問)(Part1:写真描写問題10問,Part2:応答問題30問,Part3:会話問題30問,Part4:説明文問題30問)とリーディングセクション(75分間/100問)(Part5:短文穴埋め問題40問,Part6長文穴埋め問題12問,読解問題48問)となっています。試験時間約2時間に及ぶほどの多数の問題で構成されているので、高スコアをマークする頃には正確かつ迅速な情報処理能力と、高い集中力が身についてるはずです。

TOEICテストの受験の意義はそのスコアシートにあると言っても過言ではありません。スコアシートにABILITES MEASUREDというのがあります(下図参照)。

 

TOEICテストのスコアシート

出典:公式認定証の見方

画像のCと書かれた部分がそのABILITIES MEASUREDです。これにより一目で自分の弱点が分かります。

さらに画像のBでは、自分のLISTENING,READINGそれぞれのスコア周辺でどの程度の能力が身についているのかを文字で説明してくれます。これらの項目に対応する試験問題を調べてそこを重点的に復習する事で自分の英語力に磨きがかかります。

TOEICテストと双璧をなすTOEIC Speaking&Writingテスト

TOEICテストではリスニングとリーディングの二技能を図るテストであったのに対してTOEIC S&Wテストはスピーキングとライティングの二技能を図るテストになっているので、お金に余裕があれば両方受けたいものです。まさに鬼に金棒なので。ちなみに受験料はTOEICテストは5,725円でTOEIC S&Wテストでは10,260円です。

英検のように四技能試験が一纏めにされていないことのメリットは、一つ一つの技能の測定項目を多くとれるので、それだけ細かい評価がなされるということです。

英語力に重要なのは「聞く(L)・読む(R)話す(S)・書く(W)」のバランスです。LRだけに偏っていると、「分かっているのにうまく伝えられない」SWだけに偏っていると、「相手のことを正しく理解できないので、主張ばかりしてしまう」という独りよがりな英語となってしまいます。TOEIC S&Wテストを定期的に受験して、英語力がバランスよく成長しているか確かめるべきなのです。

問題構成はスピーキングが約20分で11問です。音読問題と写真描写問題,応答問題,提示された情報に基づく応答問題,解決策を提案する問題,意見を述べる問題など様々です。

対してライティングは約60分8問です。こちらは写真描写問題とEメール作成問題,意見を記述する問題と三部構成ですが、タイピングに馴れていることと豊かな発想力がキーポイントになり重く感じるかもしれません。

なお、この試験はご察しの通り試験会場でパソコンを使って試験を行います。なのでスピーキングではその発話内容のみならず発音も細かく評価されますので、これを機会に自分の発音を見直す人も私含め多数います。正しい発音はまず聞いて覚えてから、自分で発声するという流れで徐々に身につくものです。例えば、英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる がオススメです。

また、ライティングでは受験者自身の考え(解決策の提案や状況の説明)を求める問題が多数出題されるので、日頃から自由英作文の練習をする必要があります。

例えば、洋画を見てその感想を英語でSNSを経由してシェアしてみるのはどうでしょう?楽しみながら学習できますよ。

まとめ

冒頭にも述べたようにまだかなりの英語試験があります。

それらはきっとあなたが英語を使って何をしたいか明確になってきた頃に必要な資格というのも見えてくるので、その時改めて調べることになると思います。