【徹底検証】この36年で日本人の英語力は向上した?

受験会場

TOEICが日本で始まってから今年で37年目を迎え、すでに200回を超える公開テストが行われていることを知っていましたか?

それだけの期間、英語力の向上に努めてきたのだから、日本人の英語力もそれに伴っていてしかるべきと考えてしまいますが、実際はどうなのでしょうか?

実は、第200回TOEIC公開テストを記念して、第1回との受験者データの比較が行われた結果、実に興味深い事実が明らかになったのです。

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第1回TOEICテストは1979年に実施

日本での初めてのTOEICは1979年12月2日、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5都市で開催され、受験者数は2,773名でした。

第200回となる2015年5月24日のTOEICが全国80都市、受験者数108,834名となったことを考えると、いかに最初は小規模だったかが分かっていただけるのではないでしょうか?

第1回から36年が経ち、累計受験者は1400万人を超えました。延べ人数ではあるものの、日本人の10人に1人以上が受験している計算になります。

気になる英語力の変化~第1回と第200回を徹底比較

それではいよいよ本題に入りましょう。第1回と第200回の受験者データの比較結果をもとに、日本人の英語力がどのように変化したのか見ていきましょう。

トータルスコア:引き分け!

第1回の平均が578.0点だったのに対し、第200回は577.7点でした(ちなみに満点は990点です)。

意外にもトータルスコアでは横ばいとなりました。残念ながら、全体で見ると日本人の英語力は向上していないことになりますね。

一方で、満点を取った人については第1回ではいなかったのに対し、第200回ではいました。第1回の最高スコアは950点だったようです。

最近では満点の人もたまに見ますが、第1回のテストではいなかったというのはちょっと意外でしょうか?

横ばいとは言っても、現在は受験者層が広がっているので点差が開いているとも言えるかもしれませんね。

リスニング:第200回の勝ち!

第1回の平均が289.6点だったのに対し、第200回は319.4点でした。リスニングセクションは495点満点です。30点近く上がっているので、日本人のリスニング力は向上しているといえますね。

インターネットの普及によりリスニング教材が手に入りやすくなったことも一因と言えるのではないでしょうか?リスニングに関してはは第1回、第200回ともに満点の人がいました。

リーディング:第1回の勝ち!

第1回の平均が288.4点だったのに対し、第200回は258.3点でした。リスニングセクションは495点満点です。なんと、30点以上下がってしまっています。残念なことに、日本人の平均的な読解力は低下してしまっているようです。

しかし、結果をよく見てみると、第1回の最高スコアは455点だったのに対し、第200回では満点を取った人がいました。

つまり、平均での読解力は下がっているものの、読解力が高い人の英語力は著しく向上していると言えるのではないでしょうか?そう考えるとそこまで悲観する必要はありませんね。トータルスコアと同様に、受験者層の広がりとともに、点差が拡大していると考えられます。

終わりに

日本人の英語力をTOEICのトータルスコアで見ると意外にも36年前から横ばいという結果となりましたが、リスニング力や一部の人たちのリーディング力は確実に向上していることがわかりました。

それにもかかわらず平均点が上がっていない背景には、英語学習が多くの層に取って一般的になり、受験者層のすそ野が広がったことがあると言えるでしょう。

この次の段階として日本人の平均的な英語力が向上するように、私たちもはりきって英語学習に取り組んでいきたいですね!