英語例文の暗記が英会話の上達の近道!お薦めの英語教材で例文を覚えよう
私たちが日本語で会話できるようになるのは、生まれた後、両親や兄弟とのかかわりあいに始まり、周りの人とのコミュニケーションを通じて徐々に会話の能力を蓄積するからです。英語の場合でも同じようなプロセスをたどれば誰だって英会話は順調にできるようになるはずです。
日本人の親とともに外国に住めばそのようなことを実現できるかもしれません。しかし普通の人にとってはこのようなことは望むべくもありません。そこで普通の人が英会話の実力をつけていくにはどうしたらよいかという問題になるわけです。
私たちが日本語を習得した過程を考えますと、言葉を繰り返し聴き、それを自分で使ってみるというところにその本質があるように思われます。
それであれば、学校で勉強する英語の教科書を繰り返し読み、記憶して使ってみればいいのではないかということになります。
実際、現在英会話の実力をつけて活躍されている方々のほとんどが、学校英語を徹底的に繰り返し勉強するということからスタートしたといえると思います。
ただこうして基本的な力を身につけても、学校を卒業しその力を実社会で磨いてゆく機会のない人にはそこで終わってしまうことになりかねません。
そこで私がすすめたいのは英会話でも応用できる例文を暗記してしまうということです。
適切な例文集を求めてこれを暗記し、そして忘れないように、定期的におさらいを続けるということを習慣化してしまうことです。
教科書はそのうちどこかへなくなってしまうでしょうし、必ずしも英会話だけに適切な文だけとも限りませんが、暗記用例文として集められたものはそれなりの工夫がなされて会話にも使えるようになっているものが多いのです。
実は私は高校2年のときそのような本と遭遇し、いまでもその本の中の500の例文を月に1回暗唱して記憶を絶やさないようにしています。
その本は佐々木高政という人によって書かれた文建書房発行の「和文英訳の修行」という本で、本の最初の50ページくらいに暗唱用基本文例集として500の文が収められています。
はしがきの中で佐々木先生は、
日本文をチラッとみて英文が一息にすらすらと言えるまでに自らを訓練するのである。そうしてしばらくするとその文例は次第に消化されて自分のものになり、時に応じて英語が口をつき、指先にうずくようになる。
と書いておられますが、過去半世紀にわたってこれを誠実に行ってきた私は、これまで通訳案内士や実用英検1級の面接試験で英会話の試験をクリヤーしてきました。
「和文英訳の修行」の文例は文法的に構成されていますので、会話文を覚えるだけでなく、英文法を復習するのにも役だっています。
英会話にもいろいろあって、文法的な品のある会話から、特に若い人たちの間でしか理解できないようなきわめてくだけた会話までありますが、我々日本人が英会話を始める場合はやはり文法にもかなった品のある会話から勉強すべきではないでしょうか。精選された例文を暗記するのはこのためにとても役に立ちますし、作文の時も役立ちます。
私の個人的な例でお示ししましたように、精選された例文を暗記してしまえば、別に金をかけずとも通訳案内士の資格や、実用英検1級を取ることは可能なのです。
ただ実用会話という点からいいますと資格を取っただけではまだもの足りません。
会話というのはどのような人とどういう状況のもとであっても過不足なく意思が通じ合えるものでなければなりません。
先ほど若い人たちの会話について触れましたが、彼らとも話ができてこそ本当の英会話力と言えますし、どんなに早口でまくしたてる人とも話ができなければ会話が成り立ちません。
どのような場面でも成立する英会話力を身につけるにはやはり場数を踏むしかないと思います。どうやって場数を踏んで経験を蓄積していくかはそれぞれの人の積極性に待たなければなりません。