英会話上達のヒントは多聴と精聴の使い分けにあり
皆さんこんにちは。ここ数年、勉強せずに聞き流すだけで英語が話せるようになる音声教材が人気あり、多くの人が英語を話せるようになりたいと考えているのが浮き彫りになっていますね。
しかし、本当にそんな簡単に英語が身につくのでしょうか?
そこまで効果覿面なら書店の学参コーナーに積み上げられていると思いますし、学校教育でも教材として取り上げられているでしょう。しかし、口コミを見る限り現実はそううまくはいかないようです。
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聞き流す勉強の特長
聞き流すことを多聴と言います。多聴は英語のシャワーを浴びるとたとえられます。それは本当によくできたたとえだと思います。
確かに多聴している最中は、特に何か意識しながらではなくて自然と英語の音に体を馴染ませるような作業です。なので多聴の本質は英語の音声への抵抗感を無くし、英語独特のリズムに慣れることです。
意識して聞かないからこそうまく聞き取れなかったとしてもストレスは溜まりにくいですし、慣れてきたらながら作業できるので飽きにくいと言えるでしょう。
以上の点を踏まえると、これは馴染ませる程度の方法なのでかなり繰り返して聴きこむ必要があるのです。この方法だけで英語が満足に扱えるようになるにはかなりの時間、いや年数を要しそうです。
ここで語学留学と同じではないかと錯覚される方がおられるかもしれないので一応説明しておきますが、語学留学だけで英語ができるようになるのだと信じて何の前準備もせずに単身留学される方がいますが、みなさん口を揃えて考えが甘かったと言います。彼彼女らは現地で独学(自習)して何とかある程度の成果を上げてきたようです。
なので初心者が多聴だけで英語を極めるのは不可能に近いことだと言えます。
多聴は本来誰のためにあるのか
繰り返しになりますが、リスニング力をつけるために、今も昔も「毎日、朝から晩までシャワーのように英語を聞きましょう。そうすれば自然と英語が聞き取れるようになります。」と言われますね。これはTOEIC600~900点レベルの中・上級者にとっては、適切なアドバイスでしょう。
一方、そうでない人には正直言って、この学習方法では効果はあまり期待できないでしょう。事実、英単語一つ一つの発音が頭に入っていないと多聴してもただのBGMになってしまいます。
精聴の徹底で、「英語の音を聞き分けられる耳」に一変!
精聴とは、わからない音をほったらかしにしないで、スクリプトと照合して確認しながらリスニング学習を進めていくことです。
その際は、聞こえなかった理由にも注意してください。母音や子音、音のつながりがどう聞こえたかチェックするのです。これで「英語の耳」を自分の耳にどんどんと刷り込んでいくのです。
精聴のやり方
精聴と一番相性が良いのはずばりディクテーションです。
ディクテーションとは、英語を聴いて、それを書き取っていくといものです。用意するのは、英語の音声とそのスクリプト。スクリプトはディクテーションには不可欠です。
スクリプトさえあれば好きなジャンルのもので構いません。しかし必ず自分のレベルに合ったものを選んでください。あまりレベルが高すぎると音を聞き取る作業がかなりしんどくなり、挫折の原因になります。最初のうちは、内容の7,8割が楽に聞き取れるものを選び、自信をつけるべきです。
ディクテーションの進め方
STEP1:英語の音を聴き、聴こえたままに紙に書き取る
何回も繰り返し音声を聴き、書き取っていきます。書き取る際のスペリングは適当でも構いません。また、スペリングがわからない場合は、聴こえた通りにカタカナで書いてもOKです。
STEP2:書き取ったものをスプリプトと照合する。
スクリプトを見ながら、正しい単語を赤字赤字で書き込んでいきます。
STEP3:英語の音を聞く
まずは、その書き取った紙を見ながら、50~100回、繰り返し英語の音を聞きます。赤字の訂正を見ると自分の弱点をつかめます。目と耳を使って正しい音を刷り込んでいきましょう。
その後、紙を見ないで、音声のみで聞き取ります。これも50~100回ほど繰り返しましょう。
STEP4:音読する。
先ほどから世話になっている自作の紙を見ながら英語の発声の後について音読します。この時CDを止めながら読むとやりやすいでしょう。ネイティブスピーカーとほぼ同じ発音ができるようになるまで繰り返します。
時々音声なしで紙だけを見て音読してみましょう。このようにやり方に変化をつけることで、飽きずに勉強を続けることができます。
おしまいに
いかがでしたでしょうか?
最後に、オススメのディクテーション教材を2つ挙げておきます。
1冊目はリスニング・スピーキング時に注意すべき発音や、基本的な音の連結・消失のパターンを学べる初めての方向けです。後半に、瞬間英作文ができるレイアウトになっているチャプターがあるので、便利です。
2冊目は少し英語をかじってる人で、リスニング時の音の聞き取りに苦手意識を感じている人用です。自分が聞き取れない発音、音の連結・消失のパターンを見つけられるように手助けしてくれる本です。
それでは健闘を祈ります。