英語の1音集中トレーニング~nの発音~
この記事では、英語の1音にスポットを当て、発音の解説、発音の練習を重ね、最終的に1音をマスターすることを目的としています。
今回は「N」の発音です。
私は25歳の時に会社が無くなり、職業訓練校で貿易を勉強しました。次の仕事を得る為アメリカで3ヶ月語学勉強、当時のTOEICスコアは300点代でした。
全ての子音に母音をつける私の「ザ・日本語英語」をクラスの親切なメキシコ人達が直そうと四苦八苦、ようやく相手の言いたいことが聞き取れるようになった頃に帰国しました。
それからNHKのラジオ講座、激安英会話スクールのフリートークを利用しながら独学をすすめ5年後にTOEIC810点を取得しました。
私は経験から、英語はコトバである以上、音・発音は大変重要で、音をしっかり捉えれば、同時に耳も英語の発音に慣れ、無駄なく自信を持って学べると考えています。
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1.英語の発音、リズムは日本語とは全く違う
カタカナ英語がインプットされている脳に、英語の音を聞かせてみても認識し難いです。なぜなら、全くの別物だからです。そして、カタカナ英語は別物であるがゆえ、相手に通じないことが多いです。それに気がつき英語の発音をしたくても、正しい発音の仕方が分からないことが多いです。
英語をこれから学ぼうとするかたには、音を大切にすることをお勧めします。最初から「英語の発音」で学習すれば、無駄な矯正は少なく済み、耳も正しい音を認識するのが早くなります。
この記事では、日本語と英語の発音法の違いを正しく理解するために、英語発音の解説をした後に、1音の発音練習をして理解と体感で ”モノ” にできるようにしています。
英語の発音を見直したい方、ご自身の発音に違和感を感じた方、もちろん初心者の方にもお勧めです。それではどうぞ、お楽しみください。
2. /n/ 発音方法 – 日本語の「ん」との違い
「N」の発音。日本語ではローマ字の影響で「ん」と同じと認識されることもありますが実は大きく違うのです。
/n/の発音は日本人には意外に難しいのをご存知でしょうか。
*以下、IPA(International Phonetic Alphabet:国際音声記号)の表記基準に従って、特定の音は // で囲んで表記します。
日本語の「ん」は大きく分けて発音記号で/n/,/m/,/ng/の三種類ございます。
この発音を使い分けている国の方からは、私たちは3種類の音を「ん」と発音していることになります。
2-1.-日本人の「ん」は主に3つの音-
- /n/の発音は「案内」の「ん」
- 舌先を上の歯の裏に当て、鼻から息を抜き、喉は震えます。
(舌端&歯茎の「歯茎音」・鼻音・有声音)
- /ng/の発音は「案外」の「ん」
- 舌の後方を上あごの奥に当て、鼻から息を抜き、喉は震えます。
(後舌面&軟口蓋の「難口蓋音」・鼻音・有声音)
- /m/ 発音は「安否」の「ん」
- 上下の唇を使い・鼻から息を抜き、喉は震えます。
(両唇音・鼻音・有声音)
英語の /n/ は日本語の「案内」の「ん」と同じ口内の形ですが、より鼻に息を抜きます。
2-2.-英語の/n/を更に詳しく-
以下が英語の子音表です。日本語の18個の子音に対し、英語には24個あります。
*表には子音は21個です。後の3つはこの表にはありませんが、半母音の/w/、破擦音の/t͡ʃ/、/d͡ʒ/があります。
子音 /n/ は音声学でいう「歯茎音・鼻音・有声音」です。難しいですね。
以下、詳しくご説明いたします。
図のように、舌端を上歯の後ろに当て、鼻から息を出すように発音します。すると、私たちの「ん」の発音より「ンヌ」に近い音が出ます。
日本人が /n/ を発音するときに気をつけたいのは、しっかり舌先を上歯の後ろに当て弁を作り、鼻から息を抜く ことです。
特に、語尾に /n/ の来る単語、例えば動画1:38~の「again」を私たちが発音するとき、意識しないと舌先は下がったままになりがちで、英語の発音/ng/ に近くなります。
意識して舌先で栓をつくり鼻から息をしっかりと抜くと、私たちの発音との違いが認識でき、耳も正しい音を覚えます。
それでは動画を使って、発音のトレーニングをしましょう。
3./n/ の発音トレーニング
さぁ、実践です。
まずは、ゆっくりと。/n/の発音練習を単語と文章でご用意しました。
こちらはリズミカルな練習です。
いかがでしょう。お口が随分 /n/ の発音に慣れてきたのではないでしょうか。
4.ご自身の声をお聴きに
お疲れ様でございます。ここで少し一休みしましょうね。
コラム ~英語の起源~
5世紀に北ドイツからデンマークにかけての地域からイギリスに侵入したアングル人、サクソン人、ジュート人の言語であり、それが11世紀のノルマン人の侵入によってフランス語の単語を多く借用することになり、また文法的にも次第に屈折が単純化した。ノルマン人の侵入までを古期英語、それから1500年頃までを中期英語、以降を近代英語を言う。
ブリタニカ国際大百科事典
さて。
ご自身の英語を聞いてみたことはありますか?
私はあります。自信満々、得意満面で録音しましたが、実際聞いてみて大変ガッカリ・赤面いたしました。発音もさることながら、リズム・イントネーションがいかにも「日本語」らしかったからです。そこでお勧めがございます。
スマートフォン・携帯・その他録音機材などを使って、ぜひ今回マスターしたご自身の/n/を聞いてみてください。
思ったとおりなら大変におめでとうございます。もしも、予想と差異がございましたら、Let’s practice speaking more!
5. /n/ の格言
おまけです。
/n/ の音を使った格言をおひとつ御用意しました。
Necessity is the mother of invention.
(nəseˈsəti /ɪˈz/ ðə/ mʌˈðɚ / əv/ ɪˌnveˈnʃən)
*/n/ の音に気をつけて発音してみて下さい。
必要は発明の母ですね。
あなた様も英語の必要に迫られたとき、独自の勉強方法を発明するかも知れません。
まとめ
今回、この記事を書くにあたり、英語勉強法を提案する本を色々と読みました。
そこには作家の方の数だけ学習方法があり、今更ながら、学習方法は千差万別それぞれが自分にあったものを自由に選ぶべきだ。と思い至りました。
効率良く英語・英会話学習をしようとした時、ご自身のタイプを知り、ご自身にあった勉強法を見つけるのも大切です。
今回は、私が長年細々と続けてきた英語学習から、英会話に非常に大切だと思う発音を、更に1つの音にググッと的を絞ってお伝えしました。
この /n/ の発音を変えるだけで随分「英語らしい」音になりますし、相手も聞き取りやすく、自信もつき、一石二鳥です。
特に単語末尾の /n/ は要チェックですね。
今回の /n/ の1音トレーニングが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。それでは、またお会いできるのを楽しみにしております。