英語の勉強目的がTOEICか会話かでアプローチは変わる

英語勉強法

ある程度の規模を持つ企業で働く上で必須となってくるTOEICスコアですが、思ったようにスコアアップができずに悩んでいる方も少なくはないのではないしょうか。スコアアップをしたくて英会話教室に通い始めたけれどあまり効果がないということもよく耳にします。

また高いTOEICスコアを保持しているにも関わらず、英語でのコミュニケーションが全くできない人が多いということが企業に於いて人事的に問題になっているということも耳にします。

ではなぜこのようなことが起こっているのか、自身の経験も踏まえ説明していきたいと思います。

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そもそもTOEICってなんなんだろう

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出展:http://www.toeic.or.jp/

そもそもTOEICテストとはなんなのでしょうか。まずはそこから説明したいと思います。

これは比較的有名な話なのですが、まだ知らない人も多いのが、TOEICテストは『国際的な』英語力を測るテストとして知られていますが、これは全くの間違いで、日本国内』かつ『(企業において)人事的に』英語力を簡易的に測るテストに他ならないのです。実際、留学を考慮した時に求められる英語スキル判定がTOEICではないこと不思議に感じた人はいませんか?

日本企業でも英語力を測るために当初はTOEFLを導入していましたが、あまりのスコアの低さに、時の通産省と経団連がTOEFLを運営するETSに日本人向けの能力判定テストの開発を依頼したのが始まりです。裏を返せば、日本人が苦手とするところにフォーカスしたテストであると言っても過言ではありません。

現在では受験者の大半が日本人と韓国人であるというのは有名な話です。ではなぜ日本人と韓国人なのか。それは言語の構造が近似しているため、つまづくポイントも非常に近いということが挙げられます。

TOEICと英会話の勉強方法は全く違う

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一言で言ってしまえば、英会話教室に通ってもTOEICスコアはすぐには上がりません。なぜなら求めるものが全く違うからです。

極端な話、会話では必ずしも正しい文法を必要とされるわけではありません。そんなことはないと思う方は、試しに日本人同士の日本語でのフリートークを録音し、文字に起こしてみてください。

日本語ネイティブの私たちですら会話の中では面白いほどに文法無視(とまでは言いませんが)で会話が成立しているのです。

しかしながらTOEICのテストでは正しい文法、果てしないほどの語彙数が求められます。

私は日常の会話において全く不都合を感じたことがありませんが、TOEICのスコアは798点です。なぜか。それはTOEICの対策をしていかなかったからです。お恥ずかしい話、時間が足りませんでした。

実のところ、readingセクションは最後まで回答できませんでした。真面目に回答していたら時間が足りなくなってしまったのです。

そのあとに友人にこうだったと話をしたら、問題なんてクソ真面目に読んでたらダメだよと笑われました。そう、TOEICには攻略法があるというのです。

とにかく語彙数を増やし、問題と答えの組み合わせの傾向をつかみ、これが出たらこうというように解いていくのだと。

listeningセクションに関しては、聞こえてきた単語は選ばないというのですから驚きです。私はlisteningセクションは問題なかったのですが、listeningが苦手で聞き取れていなかったとしてもある程度点数はとれるというのです。それが英語力を測るテストだというのですから驚きです。

とはいえ、仕事上それが求められるのですから成果を出すしかありません。私は会社から求められていたスコアはクリアできていたので、それ以来受験していません。(本当は受けなければいけないようなのですが)

ではTOEICに必要な語彙数はどれくらいなのでしょうか。一般的にはスコア900以上を目指すのに必要とされる語彙数は6000程度だと言われています。

これ、意外に少ないと思いませんか?そう、少ないのです。正しくは、これには制約条件があり、この6000語というのはビジネスに特化した単語だということです。表現も非常に硬いものが多く(ネイティブさえあまり使わないような表現すら混じっているときもあります。)、日常会話で友人と話す際には使わないような表現や単語が非常に多いという印象があります。

言い換えれば、日常的にはあまり使わない単語を6000個覚えなければいけないということですから、これは苦行の以外の何物でもありません。

ではどう勉強すれば良いのか

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英会話などで誰かに教えてもらいたいのであれば、日本人でTOEICに特化した講師に短期間、集中してレッスンを受けることです。

残念ながら外国人講師の多くはTOEICの攻略法を知りません。というか知る必要がないので知らなくて当然です。

ただしオンラインであろうと、オンサイトであろうと、レッスンを受けて効果が見込めるのは、既に600点程度のスコアを持っている人が、さらにスコアアップをしようとした場合です。

そこまで到達していない人は、とにかく語彙数を増やし、ETSから出版されている公式問題集を何度も繰り返し解くことが最も近道です。内容を覚えてしまうほど繰り返すのです。そうすればTOEICに必要な最低限の語彙はほぼカバーできますし、経済的にも非常にリーズナブルです。

listeningセクションは公式問題集のCDを繰り返し聴いても良いですし、飽きてしまうようであればお勧めなのがTEDです。

TEDって何?という方は、こちらの記事をご覧ください→楽しく英語力アップ☆TEDを最大限に活用しよう!

TEDはかなりクセのある英語でプレゼンされる方も多く、内容もビジネスよりなので非常に効果的だと思います。しかも無料でスマホやタブレットからでも視聴ができるのでとても便利なツールだと思います。これもできれば気に入ったテーマを2~3選び、内容を自分で把握できるようになるまで繰り返し視聴することをお勧めします。

可能であればアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア人プレゼンターのものをそれぞれ選ぶと効果的です。インド人の英語もかなりクセがあるので、上級者にはオススメです。

字幕のオン・オフの切り替え、字幕種類も英語・日本語・両方の表示ができ、再生スピードも調整できるスマートフォンアプリもありますので是非利用されてみてはいかがでしょうか。

TOEICスコアを上げたいのであれば、とにかく語彙数を増やすことと、2時間という限られた時間内でいかに問題数をこなすかというテクニックを磨くということに焦点をあてることが、スコアアップへの何よりもの近道です。

英語が話せる=TOEICスコアとはならない不思議

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英語でのコミュニケーションに不自由がなければ、おそらく何も準備をしなくても800前後のスコアは取れると思いますが、TOEICの対策のみでスコアアップをしてきた人が、前者と同レベルでコミュニケーションが取れるかというと、決してそうではないという矛盾が生じます。それは一体なぜなのでしょう。

答えはいたって簡単で、後者はインプット主体の勉強方法であるため、アウトプットすることをほとんどしていないため、頭でっかちの状態になってしまっているからです。それはとても残念なことです。

たくさんの表現方法を知っているにもかかわらず、使えない、使い方がわからないというのは宝の持ち腐れと言わざるをえません。

言語はアウトプットすることで初めて使えるようになるのです。

英語というのはあくまでもコミュニケーションツールであり、使わないと意味をなさないものです。日本では未だ英語そのものをスキルと捉えがちですが、英語もコミュニケーションスキル(ツール)の一部なのです。国際公用語としての英語は、国境や人種を超えたコミュニケーションツールなのです

しかしスコアに振り回されているというのが今の日本人ビジネスマンと言っても過言ではありません。

まとめ

英会話を通してTOEICのスコアを上げることは無理だという人もいますが、これは即効性がないだけで、長い目で見れば必ずそれなりのスコアを取ることは可能です。

書店などで『1週間で○○』といった謳い文句の書籍をよく目にしますが、私たちが母語である日本語を習得するまでにどれだけの時間を要したでしょうか。それを考えれば1週間という謳い文句が何を意味しているのかというのは明らかだと思います。

仕事上のプロモーションが絡んでくるとどうしてもスコアばかりに目がいきがちですが、目標を達成した時に、本当にそのスコアレベルでのコミュニケーションが可能かどうか考えてみてください。

会社は間違いなく、800なら800の英語でのコミュニケーションスキル、900なら900なりのコミュニケーションスキルを求めることは間違いありません。

そこに矛盾が生じたときのデメリットは、計り知れないものとなりうることもあります。理想はやはり、コミュニケーションスキルがスコアとリンクしている状態なのだと思います。