「もう無理!」と思ったら…多読を続けるための5つの抜け道
英語学習法のひとつである多読。
「さらっとたくさん読む」という意味では、読み方に決まりはありません。ですが多読の方法として一般に知られている
- 辞書は引かない
- 分からないところは飛ばして前へ進む
- つまらなくなったら止める
というSSS多読法のメソッドにしたがってすすめる場合は、一見簡単に見えて、やってみると意外にしんどいものです。
多読をパッタリ止めてしまう前に、ルールと少し距離を置いてみませんか。抜け道を通っているうちに、ふたたび挑戦する気力も湧いてきますよ。
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「辞書を引かない」の抜け道
電子書籍を活用する!
電子書籍の機能で心ゆくまで辞書引きします。
Web上の記事を読むのであれば、ブラウザの辞書機能でOK。
本を読んでいると、「絶対にここはキーとなる大切なところだ」とうっすら理解したり、「このセリフだけはカンペキに知りたいのに!」ともだえたりする時があります。
そこをガマンして読みとばすことは体に毒です。
入力の手間を考えると、電子書籍で読み、辞書引きは長押し1回で済ませることができればベスト。この程度の時間的ロスや読書の中断は、「分からない…知りたい…分からない…」ともやもやしながら読むのとくらべれば、許容範囲です。
辞書を引いてまで読みたくない部分になれば、また辞書なし多読方式で読めば良いのです。
紙の本&電子辞書の組み合わせでも、何とか読むスピードを保持できますが、紙の辞書はオススメしません。辞書を引き終わって本に戻った時に「…で?何だっけ?」とならない範囲での辞書引きにとどめる必要があります。
ちなみに、逐一単語を辞書引きしたくなるという、情熱と根気を兼ね備えた方でも、あきらめないでください。
やはり引きたいだけ引けば良いのです。
電子書籍や電子辞書なら手軽に辞書引きできるので、引きながらでも結構なページ数を読み進めることができます。そうこうしていると、同じ単語を何度も何度も引いていることに気付きます。というより覚えてきます。
著者には表現のクセがあるので、好きな動詞や副詞がどうしても偏って出ます。
しつこい辞書引きは、その傾向を利用することで、個々の本用のボキャブラリーを増やすことにつながるのです。
本の中盤以降で辞書引きに疲れた頃に、内容の方は盛り上がってくるので、そのタイミングに合わせて、自分が多読に挑戦していたことを思い出してください。
辞書引きからの解放感で読書がはかどることでしょう。
「分からない部分は読みとばす」の抜け道
その場面の分かる部分だけを映像で記憶する!
読み飛ばしができない方はあまりいらっしゃらないと思いますが…。間違って解釈していると、場合によっては読みとばし以下の状態になることも。
ここは神経質にならないことが大切です。
どうしても分からないままにしたくない1文に出会ってしまったらどうするか。辞書引きしても、解釈できない場合もあります。
そんな時には、イメージ把握で乗り切ります。
小説の場合
- 法廷で弁護士と検事が戦っている。(意味は一部分からない)
- カーチェイス中に男女がしゃべっている。目的地を割り出して、(よく分からない会話をし)、その後事故に会う。
雑誌の場合
- ○○会社に売り込みに行き、うまく行かず、(何か分からないが色々考えて)、再度売り込みに行き成功。
- (何かわからない)何かわからないがケータリングの話をしているようだ。
「そういう場面があった」と、ぼんやりとしたイメージでとらえておくと、読み飛ばしたことによる虫食いのダメージを引きずりにくくなります。
何十ページ何百ページとあるうちの1文ですので、それが分からないからと言って大した話ではないと割り切りましょう。
雑誌であれば、見出しやビジュアルに助けられたり、インタビュアーの切り替えしで合点がいったりする場合もあります。
読了時にはそんな1文も相当数に上るわけですが、読み進めることができている限り、気に病む必要はありません。
「つまらなくなったら止める」の抜け道
あきらめきれない本を選ぶ!
その結果、自分に最適なレベルより少し上の本を選ぶことになっても、「読みたい」という気持ちでカバー可能です。辞書引きという抜け道を使ってでも、勝手に場面を妄想してでも、読めてしまうものです。
本選びはていねいに、自分が読みたいものを選びます。
「(プライドが傷つくような)絵本から始める」の抜け道
子供向けの算数や理科の本を読む!
奇数や偶数、哺乳類といった単語をご存じでしょうか?
Mammalという単語は分からず飛ばしても、それを後からていねいに説明してくれる、小学校教科書のような本なら、「へぇ!」と素直に読むことができそうです。
プライドも傷つかずに済むかもしれないですね。
子供向けの歴史本などもおすすめです。
「和訳しない」の抜け道
左から右へと一方通行、戻って読まない!
一方通行であれば、こっそり脳内和訳していてもよし。目がすべって英文が頭に入らず再度読む場合は、「戻って読む」に含みません。
多読では和訳や解釈といった、勉強めいたことは禁止です。が、和訳をしなくなるには、訓練(と時間)が必要です。
その間、気持ちだけでも「先」へ向かうことが大切なのです。
戻らないクセがついていると、いざストーリーが面白くなってきて「ちょっ、どうなっちゃうの?!続き、続き!!」という気分になった時に、読書スピードがグンと上がります。
ついでに言うと、先を読みたいあまり、和訳が面倒になる日が必ず訪れます。楽しみに待ちましょう。
いかがでしたか?
「もう無理!」と思ったら、ルールを忘れて、辞書を引き、立ち止まり、1冊の本にこだわりましょう。同じ本を読みながら、多読と精読を行ったりきたりする形となりますが、ゴールを【読了】という1点に設定することで、充実感を得ることができます。
気がすんだらまた多読に戻ればよいのです。
多読の効用を、最短で最大限に自分のものとするには、決まりに従うことが大前提です。ですが、挫折せずにすむのなら、少しのルール違反はアリ!ですよね。
何と言っても「継続は力なり」ですから。