洋書を読むなら!「英国一家、日本を食べる」がおすすめ
洋書を原著で読むことは昔から英語の勉強法の定番とされています。
しかし洋書だと、背景となる事柄がわからなかったりして、いまひとつ楽しめなかったり、最後までたどり着けなかったりすることもありますよね。
こういった、英語力だけではどうにもならない部分が障害となって洋書と疎遠になってしまっては残念ですよね。
そんな方におすすめしたいのが、日本について書かれた洋書を原著で読むことです。今回はMichael Booth著「Sushi & Beyond: What the Japanese know about Cooking」をご紹介します。
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「英国一家、日本を食べる」とは?
「Sushi & Beyond: What the Japanese know about Cooking」は、英国人フード・ジャーナリストのMichael Boothが取材旅行のために3カ月にわたって日本に滞在した際に見聞きし、食べたものについて綴ったエッセイです。
日本語題は「英国一家、日本を食べる」といいます。今年に入ってNHKでアニメ化されたので聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
著者は、フランスの料理学校であるコルドン・ブルー時代からの旧友の日本人のアドバイスにしたがって、日本でさまざまな体験をするのですが、本書ではその様子がくわしく描写されています。
また、著者は、奥さんと二人の息子(もちろん全員英国人)を連れて来日しており、日本の風物に対する息子たちの率直な反応も楽しめます。英国人の著者一家の目線で日本を旅することで、日本の意外な姿が見つかるかもしれません。
「英国一家、日本を食べる」をおすすめする理由
背景知識が分かるので読みやすい
「英国一家、日本を食べる」を原著で読むことをおすすめする最大の理由は、私たちが良く知っている事柄がたくさん出てくるので、洋書なのに読みやすいということです。
一家は築地市場に行っておそるおそるウニを食べてみたり、相撲の朝稽古を見学してちゃんこ鍋を目にしたり、東京を飛び出して北海道や沖縄、京都、大阪、静岡などに出かけたり、果てはSMAPのメンバーと出会ったりもします。
このように、私たちが多かれ少なかれ知っているものごとがたくさん登場するので、英語を完璧には理解できなくても、背景知識で補える部分が多いのです。
日本語版があるから英語初心者でも大丈夫!
さらに、「英国一家、日本を食べる」を英語の勉強を始めたばかりの方にもおすすめできる理由があります。
まず、日本語翻訳版が売っていることです。逐語訳ではないので少し手間にはなりますが、原著と日本語版を並べて読めば、英語では分からなかった部分の意味を確認することができます。
そして、一番活用したいのが、巻末にある用語集です。原著は当然英国で発売されたものなので、読者は必ずしも日本の文化や食べ物に詳しいわけではありません。そのため、とても詳しい用語集が付いているのです。
見出しは日本語(もちろんローマ字ですが)で表記されているので、私たちもこれを辞書代わりに使うことができてしまうのです。
「一番出汁」や「蕎麦」といった食べ物にまつわる言葉はもちろんのこと、「(相撲の)ぶつかり稽古」や「一見さんお断り」など日本の文化に関係する言葉も数多く掲載されています。
これらの言葉って、外国人から意味を聞かれることもありますが、英語が得意だったとしてもうまく説明をするのは難しいですよね。
そんな場合に備えて、「英国一家、日本を食べる」の原著の巻末の用語集で勉強をしてみるのも良いでしょう。
終わりに
今回は「英国一家、日本を食べる」を例に挙げましたが、日本について書かれている洋書は実にたくさんあります。このように背景を良く知っている本をうまく選べば、洋書でも読みやすくなりますし、日本について英語で説明するための勉強にもなります。
英語の勉強のために日本について書かれた洋書を読むというのはちょっと不思議な感じがしますが、とても有効な勉強法だと言えるでしょう。
せっかくの読書の秋ですから、あなたもお気に入りの一冊を見つけて読んでみてはいかがでしょうか?