瞬間英作文で英会話・英文法を身につける効果的なやり方
短く簡単な英語フレーズを何度も音読することで、英会話の上達を目指す【瞬間英作文】が人気です。
森沢洋介さんの『どんどん話すための瞬間英作文』ではその具体的な方法とともに、様々な英文フレーズがリストアップされています。著者は違いますが、英語フレーズの音読という意味では『会話でできる英文法大特訓』なども同カテゴリーと言えそうです。
その一方で、「1冊分700~800フレーズを全て覚えるなんて無理!」と最初から戦意喪失している方も多いのではないでしょうか。
やってみると、「話せるようになる」という成果もさることながら、英文法が身に付くという点でも嬉しい英語学習法なのです。
スピーキング、リスニング、英作文、英文法と、かなりの範囲をカバーしてくれる瞬間英作文。あなたも始めてみませんか。
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暗記ではなく音読です
瞬間英作文は、「This is a pen. 」 や「It’s on the table. 」など簡単な会話文を繰り返し音読して覚えることで、会話が成立するレベル、つまり口をついて英文フレーズが出るレベルまで英会話の瞬発力を上げていこうという学習方法です。
テキストによって、オススメの学習法は違いますが、概ね、日本語訳を見て、即座に英語フレーズで発音できるようにすることが目標となっています。
瞬間英作文のメリットをてっとり早く体験するには
誤解がないように最初に書きますが、瞬間英作文はてっとり早くないメソッドです。地道に繰り返した末に、身に付く類のものです。だからこそ不安がありませんか?
「本当にできるのかな?英語フレーズが口をついて出るってどんなカンジなの?」
とか思いますよね?というわけで、疑似的に「瞬間英作文をがんばるとこんなカンジになりますよ」というお試し体験の方法をご紹介します。
- アプリや英語学習本の付録CDなどから、ネイティブ音声を確認できる簡単な会話フレーズを1つ選びます。
- 選んだフレーズを100回繰り返して発音しましょう。(慣れないうちは5回に1回ネイティブ発音を確認、慣れてきたら10回に1回ネイティブ発音を確認します。)
「I’ve been to Paris. 」など短いフレーズなら10回言うのに20~30秒程度、単純計算なら300秒で100回発音できますので、ネイティブ発音を確認しても6~7分で言い終えることができるはずです。
そして7分間まじめに音読しますと、以下のような状態になります。
- 頭の中でイントネーション込みのフレーズがリフレインしている
- 最後には何も考えずにフレーズをしゃべっていた
- フレーズの日本語訳を見れば、すぐに英語フレーズが出る
文法的に、「現在完了で…」とか「行ったことがある、だからgoneではなくてbeen」などと、わざわざ考えることなく、I’ve been toが出てくるのです。
100回発音したとはいえ、これは短期記憶なので身についてはいません。それでも「日本語→英語訳→英語発音」の英語訳部分がない状態を体験することができますよ。
このように、「話したい!」と思った時、英文法など考えることなく「口から出てくれる」フレーズを増やす作業が瞬間英作文の繰り返し音読なのです。
なお、瞬間英作文の実際の学習方法では、いきなり100回リピートなどという項目はありませんので、ご安心ください。
英文法が苦手な方にも
様々なフレーズを繰り返し音読することで、英会話でも反射的に話すことができるようになりますが、そのフレーズをあらためて解釈することで、英文法のおさらいができます。
何度も勉強したはずなのに、「仮定法過去と仮定法過去完了の違いを忘れる」という場合、例えば次の2つの英文が口をついて出る状態であれば、おおまかな文法的ルールを思い出すことができます。
- I wish I had a car.(車を持っていたらなあ。)
- I wish I had known his name then.(あの時、彼の名前を知っていたらなあ。)
つまり覚えたフレーズを、逆に文法問題や作文問題に活用することができるのです。
実際に挑戦してみる
前述の「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」はアプリになっており、本とCDで勉強するよりも便利かもしれません。
Iphone:どんどん話すための瞬間英作文
Android: どんどん話すための瞬間英作文
他教材や付属CDを用いて学習する場合にも、アプリを使うと便利です。iPhoneなら、取り込んだCDデータをオーディオブック形式に変換すると、15秒戻る&進むボタンを利用することができます。
ABプレイヤーやどこでもリピート!は再生したい部分を指定して個々に保存できるアプリです。気になるフレーズを2点間リピートの要領でクリップすれば、その後何回でも1クリックで指定した部分を再生することができます。繰り返し音読の強い味方となるでしょう。
Iphone:ABプレイヤー
Android:AB Repeat Player (代替えアプリ)
いかがでしたか?
瞬間英作文に取り組んでいると、繰り返すあまりに作文というよりは暗記という気分になってきます。ですが暗記はもともと繰り返しの結果です。
「上手に発音できないのはリピートが足りないからです」という言葉はわりとよく聞きませんか?通常ですと10回リピートでやった気になり、30回リピートで口が疲れ、50回リピートで回数が分からなくなり…というありさまですから、「たしかに足りないかも…」と言わざるをえません。
自分が話せるフレーズが増えると、リスニングにも有利になる上、英文法の基礎も身に付く瞬間英作文。地道な勉強方法には違いありませんが、得るものが多い分チャレンジしてみたくなりますよね!