NEWSWEEK英語版を活用した効果的な英語学習
日本で少し大きめの書店にいくとNEWSWEEK誌(英語版)が雑誌コーナーの隅に置いてあるかと思います。
普段は目にもとめないですが、実はこれ抜群の英語教材なのです。というのも、参考書などの中には、初版から十数年が経過しているものもあり、日本の受験では通用しても実際ネイティブの会話ではすでに死語となっているような表現もいくつか含まれているのです。
私の経験で、ずっと受験英語しか勉強しておらず、英語圏の人たちと話していたとき「よくそんな言葉知っているね」と言われたことがあります。
それは、日本語で言えば「お日柄もよく」「ごきげんよう」と言っているようなものだったのです。
日本語にも変化があるように、英語にもあります。
間違ってはいないものの、ほとんど日常生活では使われていない表現に力を注ぐよりも、今まさにネイティブが使っている表現を覚える方がよっぽど得策と言えます。
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NEWSWEEKはどういった人にとって有効?
NEWSWEEKで使われている表現は、日本人にとって文法上難しいということはありませんが、単語のレベルはそう簡単ではありません。
では、どういった人にとって絶好の教材になり得るのでしょうか。
おすすめできるのは次のような人です。
- 大学受験の英語長文で少し物足りなさを感じる受験生
- 仕事で英語を使うビジネスマン
受験で使用される長文にもトレンドがあります。そのテーマが「環境」であったり、「貿易問題」であったりしますが、試験を作る教授たちも、日々そうしたトレンドの中にいますので、過去問ばかりではそのトレンドに対応することは難しいのです。
NEWSWEEKは幅広いテーマを取り扱うので、その時々の流れを踏まえた記事が掲載されます。
また、大学受験で出題される英語の長文問題はそう多くないもので、国立大の二次試験や難関私立の英語長文に対応できる過去問というものは限られています。
NEWSWEEKは長文対策という観点からも程よい長さであり、また単語帳でいつ使われるかも分からない難しい単語を覚えるよりも、こうした記事から単語を拾うほうがその単語に再び出会う確率は高いのです。
ビジネスマンにとっても、恰好の話のネタとなります。
欧米系の人たちは知性に対する興味が強く、日常的に哲学的な話から社会問題についてまで幅広い議論をします。
日本人の教育水準の高さは彼らも知っていますが、「教養」という観点から見ると非常に話題に乏しいと言わざるを得えません。
ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「正義」についての講義は日本でも話題になりましたが、あのような議論の前提には、お互いに教養ベースで共有する知識がないと議論が成立しません。
常にハーバード大学ほどの高い教養が求められるわけではありませんが、ニュースになるような出来事については英語で話せるくらいの予備知識はもっていないと、彼らの話の輪に加わるのは難しいのが現実です。
そして、何よりも自分の意見を言うことを求められます。
日本人はよく新聞を読むと言われますが、オリンピックの話題に代表されるように、国内の新聞もまたガラパゴス状態にあることがあり、世界的な関心とは別の話題に着目しているケースが多いと言えます。そうしたことからも、海外の視点での世の中の捉え方を把握しておくことは大切です。
どうやって使えば効果が高いのか?
NEWSWEEKには当然ながら参考書のような解説はありません。では実際にはどう使えばよいのでしょうか?
知らない単語が出てきたらマーカーを引いてメモしておくことをお勧めします。同じようなトピックの記事の場合、その単語が再び出てくることが往々にしてあります。
また、話題性の強い単語については、別枠で解説のようなものが載っていることがあるので、そこをチェックします。
頭から終わりまですべての記事を読む必要はなく、自分の興味のあるテーマ、自分の志望する学部に関わるテーマを優先的に読むようにすると、継続して続けられます。
さらに、会話表現で使えそうなフレーズもマーカーでチェックしておき、何度か口に出して滑らかに話せるようになるまで繰り返し発音してみてください。次の日に同じフレーズを音読してみると、驚くほど流暢に言葉が出てきます。
タイムリーな話題については、日本語版でも同じ内容の記事が掲載されることがあるので、読み比べてみるのもおもしろいです。
まとめ
学習参考書や英語に関する本を買ったはいいものの、本棚の肥やし状態になっているものが多いのではないでしょうか。それは、使わない英語や興味のないトピックばかりを読み続けなくてはいけない苦痛から、英語がつまらないと感じるからではないでしょうか。英語は使うからこそ、楽しいものであり、意味のあるものになります。
私もNEWSWEEKで読んだオバマ大統領に関する話題について話したとき、その挑戦にネイティブの人たちはとても喜び称賛してくれました。
子供のころにいきなり完璧な言葉を話せた人などはいないのですから、文法が間違っていたって構わないのです。使うことを意識して、挑戦してみてください。きっと大きく世界が開けるはずです。