発音がセクシーなイギリス英語?方言ランキング
イギリス英語に対してなんとなくあこがれを抱いている方も意外と多いのではないでしょうか?
私たちは英語教育と言えばアメリカ英語が一般的とされているので、イギリス英語の発音で話せると少しかっこいいと感じたり、一目置かれたりすることもあるかもしれません。
ところで、そのイギリス英語にもたくさんの方言があることを知っていますか?
そこで、今回はイギリスの方言を通じて、私たちが知らないイギリス英語の意外な一面をご紹介します。
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イギリス英語の方言?
イギリスは面積では日本の約3分の2、人口も日本の約半分なのですが、実に多くの方言が存在します。標準語とされるStandard Englishを使っているのはイギリスの人口の15%程度に過ぎず、大多数が方言を話しているのです。
日本で標準語を使っているのが人口の30%程度と言われていることを考えると、イギリスで標準語を使っている人はずいぶんと少ないことがわかります。
今回は、イギリスの方言をそれぞれの発音のセクシー度に基づいてランキングしている動画を利用して解説していきます。
セクシー度が高いほど「イケてる」、低いほど「ダサい」、ということになります。なお、このセクシー度ランキングは動画作成者の独断と偏見がたっぷりですので、真面目にとらえすぎないでくださいね!
ちなみに映像の元ネタはアメリカ映画「きみに読む物語」で、こちらにアフレコをしてイギリス各地の方言を再現しています。
動画作成者はイギリスで英語を教えている先生たちなのでそれぞれの方言の発音などの特徴を良くとらえています。内容がわからなくても雰囲気だけでも勉強になるので英語力にかかわらずオススメです!
イギリス英語の方言:セクシー度ランキング
それでは、実際に動画を見ながら発音の違いを中心に解説していきましょう!※解説はランキング順ではなく、動画に登場する順番となっています。
Received Pronunciation (Posh)
セクシー度:2位
日本語では直訳して「容認発音」と言ったりBBC英語と言ったりしますが、Queen’s Englishと言えば一番わかりやすいでしょう。タイトルに“Posh”とある通り、イギリスでは上流階級が話す英語として知られていて、人口の4-5%にしか使われていません。
全体に母音を悠長に発音し、スラングもまず使われず、丁寧な話し方という印象を受けます。
観覧車のシーンで左の男性が中央の男性に話しかけるときに“Friend”と言っていますが、一般的なイギリス英語では“Mate”の方が使われることが多いです。
また、女性が言う“No!”の発音がかなり特徴的ですね。
イギリス英語の中で2番目にセクシーだとされていますが、一般人や外国人が多用するとちょっと嫌味な印象を与えてしまうので注意が必要です。
West Country (Farmer’s Accent)
セクシー度:3位
イングランド南西部はその地理的特徴から19世紀ごろまで他の地域との往来が少なかったと言われており、Farmer’s Accentは古英語の発音の影響がいまだに残っていることが特徴です。パッと聞いただけでは目立った特徴はわかりにくいですが、“honey”が「ハネィ」となるなどよく聞くと母音に特徴がありますね。
Glasgow (Glaswegian)
セクシー度:6位
Glasgowが属するスコットランドでは、英語と並んで公用語となっているケルト語系のゲール語や古英語の影響が残るゲルマン語系のスコットランド語の影響が大きく、他の英語圏の出身者にはわかりづらいと言われています。
“Date”の話をしていますが“did”に聞こえたり、“agree”の“r”の発音が巻き舌に近かったりと、かなり発音にクセがありますね。発音があまりに独特なせいか、セクシー度は高くもなく、低くもなく中レベルといいう結果になりました。
Newcastle (Geordie)
セクシー度:4位
Geordieは親近感をおぼえやすいとされていて、イギリスのテレビ番組でも方言としてよく登場します。動画では“Come here”を「コムヘィァ」、“great”を「グリェト」と発音しており、一言聞けば方言だとわかるものの、何を言っているかわからないほどではないですね。
肯定文でも語尾が上がっていることも特徴的です。
クセがあってもなじみのある発音だからか、セクシー度は比較的上位にランクインしています。
Manchester (Mancunian)
セクシー度:9位
Manchesterは産業革命の際にアイルランドを中心にヨーロッパ各地から移民が流入したことで独自の方言が発展したと言われています。
また、母音の発音や一部の子音の発音を強調することが特徴と言われています。
動画でも“walk”の発音が“work”にかなり近くなっていますね。訛りっぽさが強いせいかセクシーさは下から2番目となってしまいました。
Northern Irish
セクシー度:5位
Ulster Englishとも言われます。この地域にはスコットランド系の移民が多いためスコットランド語の影響が大きく、ほかのアイルランド方言よりもスコットランド方言に近いと言われています。
“Yes, they did”が“Yes, they dead”に聞こえませんか?これでは意味が通らないので“did”とわかるのですが、一瞬びっくりしてしまいますね。
ここまでの方言が比較的イントネーションが豊かだったのに対し、Northern Irishは全体的に平坦で、語尾だけが若干上がるという点が特徴的です。
Southern Irish
セクシー度:1位
セリフが短いので判断が難しいですが、一般にアイルランドの英語はアメリカ英語に近いと言われています。あまりクセがないことからセクシーな英語だと認識されているのかもしれません。
Liverpool (Liverpudlian/Scouse)
セクシー度:8位
Liverpoolは港町としての歴史が長く、18世紀ごろには世界を代表する港となったことでヨーロッパ各地から移民が集まりました。その結果、ヨーロッパ各地のアクセントに加え、アイルランド語やウェールズ語の影響を大きく受けたと言われています。
特筆すべき点は、かなり早口であり、かなり強いアクセントがあること、そしてトーンの上下が頻繁であることです。そのほか、“r”の発音が巻き舌に近い点がGlasgowと少し似ていますね。
Birmingham (Brummie)
セクシー度:10位
イギリスで方言の話になると必ずネタにされるのがこのBrummie。今回も一番セクシーでないイギリス英語とされてしまいました。
“I”“five”の二重母音の発音が「オゥイ」、“me”の発音も「ムゥイ」、“every day”が「エヴリダイ」に近い発音がされています。
また、肯定文、否定文を問わず語尾が上がっていることも特徴です。
Cockney
セクシー度:7位
Cockneyはロンドンの労働者階級に顕著にみられる方言で、どことなく「べらんめぇ」調の発音ですね。
二重母音や長母音の発音が特徴的で、“You”が「ヤ」、“day”が「ダイ」になり、“fight”がかなり鼻にかかった発音になっていることがわかるかと思います。
“Wanted”などの“t”が抜け落ちて“Wan’ed”と発音されていますね。“Pain in the ass”“Damn it”など独特のスラングも多用されています。
終わりに
イギリス英語にも個性豊かな方言がたくさんあり、今回ご紹介できなかったものもたくさんあります。
しかし、今回最もセクシーだとされたSouthern Irish方言も、最もダサいとされたBirmingham方言もれっきとしたイギリス英語です。
英語の勉強に息が詰まりそうになったときは、今回のようにいつもとは少し違った角度から英語を学んでみるのも面白いかもしれませんね。