理系にオススメ!使える英語が身につく「工業英検」
工業英検をご存知ですか?
英検やTOEICに比べて、ややマイナーな工業英検。その受験のメリットと学習方法をご紹介します。
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目次
1. 工業英検とは?
工業英語(テクニカル・ライティング)の能力を客観的に評価する制度で、1992年秋より文部科学省後援試験となっています。
工業高校や工業高専、大学などで団体受験が導入されていることもあります。
工業英語について、日本工業英語協会では以下のように説明しています。
工業英語とは一体どのような言葉なのでしょうか。この日本語にあたる英語は“Technical Writing(in English)”または”Technical Communication(in English)”となります。
(中略)
つまり、「難解な単語や修飾の多い文体を使わず、また、書く側が自己満足に陥らずに、読み手に対して分かりやすく書く英語」と言うことができます。
このことから、工業英検の受験に向けた学習をすることで、明確で簡潔な文章とはどのようなものかを理解することができるということがわかります。
2. 工業英検の級と難易度
工業英検の級は、以下の5段階に設定されています。
実施月 | 受験区分 | 出題形式 | |
---|---|---|---|
工業英検4級 | 毎月開催 | 工業高校、工業高等専門学校程度の工業英語の基礎知識を有する者 | 英文和訳(短文)/適語補充/単語問題 (筆記試験のみ・全問マークシート方式) |
工業英検3級 | 毎月開催 | 大学専門課程、工業高等専門学校上級学年、専修・専門・各種学校在学程度の工業英語の応用知識を有する者 | 英文和訳/和文英訳(短文)/適語補充/単語問題 (筆記試験のみ・全問マークシート方式) |
工業英検準2級 | 毎月開催 | 大学専門課程・大学院課程、工業高等専門学校上級学年・専攻科の工業英語全般の基礎知識を有する者 | 英文和訳/和文英訳(短文)/適語補充/修辞 (筆記試験のみ・記述式 50%、マークシート方式 50%) |
工業英検2級 | 7月、1月 | 実務経験者を標準とし、工業英語全般の知識を有する者 | 英文和訳/和文英訳/修辞 (筆記試験のみ・全問記述式) |
工業英検1級 | 5月、11月 | 工業英語の専門家としての実務能力を有する者 | 一次試験(筆記)英文和訳/和文英訳/修辞 二次試験(面接)筆記試験合格者のみリスニングテスト |
各級の受験区分の内容を参考にして、目標の級を設定しましょう。
受験の申し込みは、試験日のおよそ2か月〜1か月半前から開始します。2級、1級の試験実施はそれぞれ年2回しかないため、早めに受験の予定を立てておきましょう。
3. 工業英検を受験するメリット
工業英検を受験するメリットは、先述の通り、工業英検の受験に向けた学習をすることで、明確で簡潔な文章とはどのようなものかを理解することができることです。
そのメリットについて、もう少し掘り下げてみましょう。
1. 英文法の理解が深まる
工業英検対策の書籍では、技術文書の読解や作成に必要な明確な表現をするための英文法について、体系的に解説されています。
そのため、なんとなく理解していた英文法を正しく理解し直すことができます。
また、技術文書によく出てくる文型をパターンとして覚えることで、技術文書を読むスピードも向上します。
2. 文章の要点を把握できるようになる
工業英検では、文章のインフォメーション・ワードを見つけて、より簡潔な文章に書き換える問題が出題されます。
インフォメーション・ワードとは、文章のうち具体的な名詞や動詞やそれらに相当する語句のことを指します。つまり、文章の要点、核心です。
インフォメーション・ワードを見つける練習を積むことで、文章の要点を把握できるようになってきます。
3. 工業系特有の頻出用語を覚えられる
技術文書を書いていて専門用語を使う時、日本語なら的確な用語が出てくるけれど、それに対応する英語がわからない…ということはよくあると思います。
工業英検では、工学全般の話題が試験問題の題材となっているため、機械・電気・化学・気象など幅広い専門用語を理解する必要があります。
そのため、工業英検向けの問題集には、多くの場合巻末に既出用語集が付属しています。
専門用語の多くは複合語なので、ただ暗記するのではなく構成する単語の意味を考えるようにしましょう。
そうすると、知らない複合語が出てきても意味を推測できるようになり、より多くの用語を理解できるようになります。
4. 工業英検にオススメの学習方法
工業英検に向けたオススメの学習方法をご紹介します。
1. 工業英検用の受験対策本
工業英検用の受験対策本が、工業英語を実施している団体 「公益社団法人日本工業英語協会」 から出版されています。
いわゆる「公式」のテキストなので、その内容は的確で無駄がありません。
2. 英語のニュースや技術文書を読む
ニュース記事や興味のある分野の技術文書等を英語で読むようにしましょう。その際、テキスト等で学んだ体系的な文法知識を意識して読むとより効果的です。
興味があることは理解しやすく、理解できない場合にも理解したくなりますので楽しく英語を読む習慣が身につくと思います。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
工業英検は、英検やTOEICほど知名度は高くないため、取得してもメリットがないと考える方もいるかもしれません。
しかし、受験に必要な知識が非常に実用的であるという点が大きなメリットですし、工業英検を知っている人にはその実力を評価してもらえると思います。
興味が湧いた方はぜひチャレンジしてみてくださいね。