【would】の意味と使い方!解釈に迷った時の2つのポイント

question

助動詞と言えば、must、will、can、may…と色々ありますが、【would】の存在は「過去っぽい…」ということ以外、後回しにしがちではありませんか?

実は「過去っぽい…」というイメージはwouldを解釈する上ではほんの一部に過ぎず、スムーズな解釈を妨げていることがあるのです。

スポンサーリンク

wouldのイメージ

  • willの過去形が【would】
  • 時制の一致で使用
  • 過去の習慣をあらわすことができる
  • 過去の固執・拒否をあらわすことができる

ここまでは大丈夫。何となく「過去っぽい…」表現に使われていますから。そして、ふと気づきます。

  • 【would】って過去のことを話していない時にも使われている
  • そういう【would】が英会話や映画のセリフでも結構出てくる

例えばこんな会話です。

The guy on the phone had a British accent.

That would be John, I expect.

引用元:ジーニアス英和辞典第5版

何故にここで過去形出てくる?!

「だろう」の過去形って何?!と焦りませんか?まずは「wouldはwillの過去形」としての【would】から離れましょう

現在・未来の推量をあらわすwould

The guy on the phone had a British accent.

電話に出た男性はイギリスなまりだったよ。

That would be John, I expect.

それならジョンだろう。

たとえ形は過去形でも、ここに出てくる【would】は現在や未来の推量をあらわしています。「過去」のイメージはありません。

Willとの違いは話し手の確信度で、やや控えめな表現になります。

100%→Must – will – 【would】 – ought to – should – can – may – might – could→ 0%
話し手の確信度(参考:ジーニアス英和辞典第5版 might)

【would】は確信度が高いほうから3番目です。控えめ表現とはいえ、迷いがあるわけではありません。

「ジョンだろう」と言っている人は、「電話に出たのはジョンであるという事実」についてわざわざ問い合わせて確認を取ったわけではありません。それでもかなりの確率でジョンだと推量している状態が【would】です。仮にジョンが事前に電話を受ける約束をしていたのなら、【would】ではなく更に確信度の高いwillやmustを使ったかもしれません。

丁寧さをあらわすwould

I’d like to ask you to sigh here.

ここにサインをお願いします。

Would you care for a drink?

お飲み物はいかがですか

That would be 50 dollars.

50ドルになります(会計時)

この【would】はたいてい「Would you~」の形で、丁寧な依頼の表現として習います。ですから会話中に登場しても「過去形?!」とびっくりすることは少ないですね。【現在・未来の推量をあらわすwould】と同じく「過去」は関係ありません。(I’d like はI would like の短縮形で、I wantの丁寧な表現です。)

驚きのWhy would~

Why did ? Why would you do that?

なぜ? いったいどうしてそんなことをするの?

Why didは単純に「なぜやったのか」を問うものですが、Why wouldになると話し手の驚きや意外に思う気持ちが付加され、理解を越えている印象になります。

想像・願望のwould

I would not be standing here if I knew any other way.

他に方法があればここには来ない。

いわゆる仮定法過去です。現実とは違うことを仮定して想像や願望をあらわすもので、名前に「過去」とついていますが、実質的な内容は現在のことになります。if節の過去形動詞が大きなヒント。例文では「他に方法があれば」と言っていますが、実際は「他の方法はない」ので「ここ」に来ている状態です。

Is it okay to drink the tap water?

水道水を飲んでも大丈夫かな?

I wouldn’t do that. (if I were you)

私ならやめとく。

人に助言する時に使う言い方の一つです。この例のように、仮定法過去であってもif節が省略されている場合があります。推量か仮定法かは文脈で判断するしかありませんが、条件節が見当たらないからといって「would→だろう」と解釈してしまうと、誤訳につながる場合もあるので、頭の片隅にはとどめておくことをおすすめします。

迷った時は

過去の習慣でも拒絶でもないし、「would you~」でもないし、近くに「if + 過去形」もない!何だこれ!と焦った時には、「wouldはwillの過去形」ではなく以下の2つを思い出してみてください。

  1. 仮定法過去のif節(if I were you 等)を言外に含むwould
  2. 現在・未来の推量を控えめに表現するwould

さらっと切り抜けられるかもしれません。